GSGP PROJECT | SUPPORTED by GLICO

Report :レポート

2011年3月25日(金)@梅田Shangri-La

取材・文:奥“ボウイ”昌史(ぴあ関西) 撮影:田浦 薫(TAULab.)

Artist アーティスト

  • OverTheDogs
  • オワリカラ
  • SEBASTIAN X

江崎グリコ、FM802、ぴあ関西が、関西の音楽シーンを活性化する、次代を担うアーティストをいち早くプッシュしていくライブイベント『GSGP PROJECT』。’03年の開始以来、フジファブリック、椿屋四重奏、HiGE、NICO Touches the Walls、DOES、MONOBRHIGHT、サカナクション、the telephones、andymoriなどなど…幾多のアーティストを輩出してきた人気イベントも、今回で涙、涙の最終回! その最後の宴を飾るべく、OverTheDogs、オワリカラ、SEBASTIAN Xとネクストブレイク前夜の3組が揃ったこの日。イベント当日をもってちょうど丸8年(!)を迎えた『GSGP PROJECT』、感動のエンディングへ、いざ!


OverTheDogs

8年の長い歴史に幕を降ろす、最後の一夜のトップバッターを飾ったのは、ポップミュージック新世代の注目新人・OverTheDogsの5人。ゆっくりと幕が開き披露された『イッツアスモールワールド』で、恒吉(vo)の少年性を湛えた神秘的な歌声にグッと引き込まれる会場。「はじめましてOverTheDogsです。今日のライブは今日しかできないので…最後まで楽しんでいきましょう!」。ハンドマイクで体全身を使って物語を表現し、ひとつひとつの言葉を紡いでいく恒吉の姿は、ボーカリストと言うよりまるでストリーテラーのよう。続いてはマーチなドラムで華やかにスタートする『みぎてひだりて』、そして、確かな演奏力に裏打ちされたビートに支えられ、キラキラの鍵盤が彩る『カフカ』は、キャッチーなメロディが心地良い。

MCを挟んだ後は、牧歌的なギターイントロから日常と非日常を行き来するファンタジックな物語に誘う『さかさまミルク』。そう、OverTheDogsが奏でるのは、荒唐無稽な物語ではない。日常に根ざした、地続きな夢の世界。だからこそ目の前にいるその人々は、30分間の時間旅行をライブハウスで体験できるのだろう。言わばOverTheDogsはその水先案内人でありコンダクターだ。

続くアップテンポな『普遍ソング』も、初見の人間でも言葉がグイグイ刺さってくるメロディラインと構成。派手な仕掛けはなくとも、それぞれのプレイヤーがきっちりと曲を汲み取った匠の仕事に、オーディエンスの肩も自ずと揺れる。ピアノのインタールードをバックに、「大切な人がいなくなって星になって…それが人でも、ペットでも、光でも、時間でも…みんな星になって、それが繰り返されていけば、ずっと一緒にいられる」と披露された『メテオ』。そして、この壮大な物語を指揮者のように先導する恒吉を筆頭に、最後にOverTheDogsが放ったのは、未来への希望をストレートに綴った『本当の未来は』。

「人間は一回失敗したことを教訓にどんどん進化していくから…だから僕は進化していく人間をずっと見ていきたくて。いろんな発明でこれから楽しくなっていくと思う。みんなもいろいろあると思うけど…フワフワと、楽しく生きていきましょう。OverTheDogsでした」。今の時代、未来への希望なんて当たり前に大事なことを歌ってくれるバンドって、逆にいなかったのではないだろうか? シーンに普遍の幸せを降らせていく新人・OverTheDogsは、今だからこそ必要なバンドなのかもしれない。


オワリカラ

OverTheDogsがもたらしたファンタジックな世界から一転、脳天直撃のハイボルテージ&ハイグルーヴサウンドを会場にぶち込んだのは、メキメキとシーンで頭角を現す真性ライブバンド、オワリカラだ。タイトなリズムが空を切り裂く『ドアたち』からスタートしたライブは、へヴィなベースラインが脳をこねくり回し、1曲目にしてカオスに向かう激烈サウンドが充満。タカハシ(vo &g)が跳ぶ! ツダ(b)が回る!(笑) そして、カオスから瞬時に平熱にシフトするツンデレ・パフォーマンス…(笑)。いやはや、いきなり魅せてくれる。

続くファンキー・ディスコティックな重量級ダンスチューン『おいでシスター』もイカツイ! バケモンか! よもや平熱ではいられないオーディエンスのヨコ揺れで、うねりを上げるShangri-La。「ありがとう! 改めましてオワリカラというバンドです。今夜はよろしく」。一転、カワノ(ds)の叩き出すリズムに楽曲を引っ張るカメダ(key)のクレイジーなフレーズ、そこに艶っぽいギターが絡みつきながらの『ロング・グッドバイ』では、広大な荒野をイメージさせる大陸的なビートでグッと聴かせる。

そして後半戦、「非常に楽しい感じでやってます。ありがとうございます。すごい早いやつ、2曲続けてやります(笑)」と繰り出されたのは、5月11日(水)発売予定の2ndアルバム『イギー・ポップと讃美歌』から、腰にクル叫びのダンスナンバー、『swing』! 続けざまに高速ギターリフが開戦の幕開けを告げる『ガイガンガール・ガイガンボーイ』!!  カメダが一心不乱に鍵盤を叩きつけても、タカハシが鍵盤に飛び乗っても、ベースを弾きながらでんぐり返しするツダを見ても(どうやって!?)、もはやビックリしません(笑)。ハイスピード・グルーヴチューンの連発に、会場の気温は沸点に!

「新しいアルバムから『ベイビーグッドラック』という曲でお別れです。オワリカラでした」。ラストはメロウなギターと歌うベースラインが誘う、海底にいるようなディープサウンドで、曲の世界にどっぷり引き込まれジ・エンド。しょっぱなから助走なしのトップスピードで魅せた若手随一のグルーヴ・マシーン、末恐るべし!


SEBASTIAN X

そして、『GSGP PROJECT』の栄えあるクロージングアクトとなったのは、大歓声で迎えられたSEBASTIAN X! シンセがリードするピースフルでフォークロアな『フェスティバル』で開演したこの宴、タイトルさながらのお祭りサウンドに、オーディエンスが思い思いに体を揺らし、楽しむ。続く『DUB湯』と言い、最後の宴を彩るにふさわしい先導&扇動役が、躍動感の溢れ出るビートで、誰にも似てない音楽のおもちゃ箱的オリジナルサウンドを放出。「この前のライブが高知だったんですけど、カツオを頂いたらメンバー全員当たっちゃいました(笑)。でもみなさんの顔を見たら直っちゃった!」なんて微笑ましくも飛び道具なMCを挟みつつ(笑)、『ASO』でそのお祭り菌は会場の隅々まで伝播。見渡せば笑顔、笑顔と、オーディエンスもゴキゲンのご様子。

中盤に「大阪の皆さんお久しぶりでーす。皆さんお元気ですか? 楽しんでますか? 今日は新曲を持ってきました!」と披露されたのは、今までになくメロウで、ポジティブ&スケールの大きい歌詞が印象的な新曲。MCでは東北地方太平洋沖地震にも触れ、「自分たちにも何かできないかなって」と実施された1口100円〜投げ銭方式のチャリティリボンの試みも紹介。そして『ワンダフルワールド』が始まれば、すぐさま会場がひとつになってしまう。キュートで奔放な歌い手・永原には、やはり目の前にいる人をハッピーにする才能がある。

続いて先日デジタルシングルとしてリリースされた『光のたてがみ』を披露。永原が高く突き抜ける歌声と共に全身で楽曲をドラマチックに表現し、最後は『ツアー・スターピープル』で怒涛のエンディング! 会場の理屈抜きに音楽を楽しむ空気に満たされながら、本当にあっという間の30分のステージは大団円を迎えた。

とは言え、ライブの悦びを知っているお客さんは、これでは帰してくれません。熱〜いアンコールの声にお応えして、再びSEBASTIAN Xがステージに登場! 「大阪でたくさんのお客さんの前でやれて嬉しいです」と素直に喜びを口にしつつ、「早いのと遅いのどっちがいいですか?」とアンコールの曲目をオーディエンスに逆リクエスト(笑)。会場から上がった声に応え、「最後に『サファイアに告ぐ』という曲をやって終わります。GSGPありがとうございました〜!」。メンバー全員のコーラスから始まる力強い同曲は、チャイナな鍵盤フレーズもチープでかわいい。声だけでなく“伝える”おもちゃ箱サウンド。『GSGP PROJECT』最後のアクトは、音楽の持つピュアなパワーで、8年間続いた夢の宴を見事に締め括ってくれた。


Staff comment スタッフコメント

DJ早川和余

そして、最後はGSGPおなじみのFM802 DJ:早川和余が登場。「今日はホントにお越しくださってありがとうございます! SEBASTIAN Xの(永原)真夏ちゃんの天まで届きそうな声に、いつも元気をもらってます。曲が始まった瞬間に泣きそうになったOverTheDogs、そしてオワリカラ、バーッとロックして、バーッとライブして帰る。カッコよすぎでしょ!」と3組のライブを思い思いに表現してくれた彼女。この日は震災の影響を受け、恒例のグリコのお菓子・豪華詰め合わせが当たる抽選会は見送られたものの、「いつもはポッキーを配ってるけど、今日は音楽でおなかいっぱいじゃないですか?」なんて粋な言葉も。

江崎グリコを筆頭に、FM802、ぴあ関西、そして在阪のコンサートイベンターが、関西のオーディエンスの音楽熱をサポートし続けた『GSGP PROJECT』も、これにて終了! でも、ご安心ください。関西から新たな才能を発信する志は、5月から装いも新たに、『GLICO LIVE NEXT』として燃え続けます。8年間の長い間、『GSGP PROJECT』を支えてくれた多くのオーディエンスに感謝を。そして次回は『GLICO LIVE NEXT』でお会いしましょう。本当にありがとうございました!






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