傑作完成! そして来日!/ポール・マッカートニー『NEW』 ライブ・アルバム情報
とにかく音が若い。それはあきらかにマーク・ロンソン、ポール・エプワース、イーサン・ジョンズ、ジャイルズ・マーティンという若いプロデューサー陣に因るところが大きいわけで、この人たち全員、ポール・マッカートニーの半分くらいの年齢だったりする。しかも、その4人が大先輩に遠慮した気配は微塵も感じられず、ボーカルを加工してみたりガレージのアプローチにしてみたり、だから、これまでに聴いたことのないポールの音がじゃんじゃんと飛び出してくる。じつに痛快。さらには、バラードで有名なアーティストのアルバムではあるんだけれど、そのバラードがない。アッパーなロックンロール・ナンバーを軸に構成されたアルバムということで、しかし単なる原点回帰と決定的に異なる点は、ポールがアップデートしているということに尽きる。
要するに、『NEW』制作の着地点はポールのよさを引き出すだけでなく、また、新しいなにかを表現するだけでもなく、新しさと古さを絶妙にブレンドさせることでこれまでと違う表情を引き出すことにあったと思うのである。その両者の共存は、LEDの時代に蛍光灯を用いて“NEW”と表現したアルバムのアートワークからもわかることで、だから、意味合いとしてはタイトルが『REBORN』であっても違和感はない。でもそれだと重い。仰々しさもある。『NEW』のほうが断然ポップということで、もう、なにもかもがすばらしいとしかいいようがないこのアルバムは、少なくとも、この四半世紀のあいだに発表されたポールのアルバムのなかでは最高品質。なにより、「まだまだ」「これでもか」といったポールの攻撃姿勢が音と一緒にスピーカーから伝わってくるのが喜ばしい。そしていうまでもなく、来月11月の11年ぶりの来日公演に対する期待が膨らむマテリアルでもある。
Posted by ライター島田諭 2013.10.09 Wed
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